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'23/03/10 障がいお役立ち情報№40(障害厚生年金の金額)


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今回は障害厚生年金の受給金額についてです。

厚生年金における障害年金の受給金額を理解して頂ければ幸いです。

【障害厚生年金の受給金額】

⒈ 年金額の考え方

 障害厚生年金の受給金額は老齢厚生年金の報酬比例部分が基本の考え方となります。

 遺族厚生年金の回でも書きましたが、まず先に老齢厚生年金のおさらいが重要となります。

報酬比例部分は

 ①2003年3月以前の被保険者期間 と ②2003年4月以後の被保険者期間

   のそれぞれの算出式を合算した金額となります。この2つに分かれる理由は2003年3月以前は賞与支給の際には保険料を納付していませんでしたが、2003年4月以降は賞与支給の際にも保険料を納付することになった、という変更点があるためです。

  ① 平均標準報酬「月」額 × 7.125 / 1000 × 2003年3月以前の被保険者月数

  ② 平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以後の被保険者月数

 賞与を対象とするか、しないかの違いにより、①は平均標準報酬「月」額に対して②は平均標準報酬額なっております。この〈 平均標準報酬月額 〉と〈 平均標準報酬額 〉ですが、2003年3月以前は標準報酬月額の平均値、2003年4月以後は標準報酬月額と標準賞与額の合計を被保険者期間の月数で割った数値 にそれぞれ再評価率という数値を掛け算した値です。この再評価率は、支給された当時の金額を現在の時価に修正する意味があります。1982年に支給された20万円と2022年に支給された20万円の価値の違いを意識して頂けるとわかりやすいかと思います。なお、「7.125 / 1000」と「5.481 / 1000」は給付乗率と呼ばれております。くどいでしょうが、やはりここの考え方が肝となるので再度記載致しました。


⒉報酬比例部分の計算

 ⒈でおさらいした老齢年金の報酬比例部分を念頭にして本体部分は次のように計算されます。

・原則 →( 上記①+上記② )

・例外( 被保険者期間が300月に満たない場合 )

     →( 上記①+上記② )× ( 300月 ÷ 被保険者であった月数の合計 )

この例外規定が意味するところはあまりに年齢が若いうちに障がいを抱えたときなど被保険者

    期間が極端に短くなると障害によって失われる所得の保障が機能しないため、300月( 25年)

    分が最低保障分として支給されることを意味します。

⒊ 1級から3級の受給金額

 障害厚生年金は1級~3級まであります。それぞれの計算式は次の通りです。

  ① 1級 → 報酬比例部分×1.25 + 配偶者の加給年金額

  ② 2級 → 報酬比例部分 + 配偶者の加給年金額

  ③ 3級 → 報酬比例部分

 ざっくり眺めてみます。

 ②について、2級が年金額の考え方のベースとなります。

 ①について、1級は報酬比例部分が1.25倍となります。

 ①&②について、配偶者がいる場合は配偶者の加給年金額が加算されます。

 令和4年度の加給年金額は 223,800円(=224,700 × 0.996(改定率))です。

 ③について、3級には配偶者がいたとしても、配偶者の加給年金額はありません。


⒋ 障害手当金

 障害厚生年金には1~3級に加えて一時金の障害手当金もあります。この障害手当金は障害等級が1~3級のいずれにも該当しない程度の軽い障害であって、傷病が治った( これ以上悪化しない )場合に支給されます。

 障害手当金は一時金で次の算式で計算されます。

 ・報酬比例部分 × 2 ( 1回のみの一時金 / 毎年の「年金」ではない! )

 また、障害手当金には最低保証金額があり、

     「報酬比例部分 × 2」 < 「585,700円 × 改定率 × 2」

となる場合には「585,700円 × 改定率 × 2」が支給されることになります。


 今回は障害厚生年金の受給金額について触れました。¾を掛け算しないだけで、遺族厚生年金の受給金額と似ていますよね。また障害基礎年金と似た内容もあり、報酬比例部分について1級=2級×1.25倍となっております。それぞれを比較して覚えるとわかりやすいかもしれませんね。次回から「複数の年金を受給できる場合」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい

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