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'23/06/09 障がいお役立ち情報№53(令和5年度の公的年金支給額⑤)


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今回は令和5年度の遺族厚生年金の受給金額について触れたいと思います。

なお、今回の内容は「’23/02/24 障がいお役立ち情報№38(遺族厚生年金④)」をアレンジした内容になっております。

厚生年金における遺族年金の令和5年度の金額を理解して頂ければ幸いです。

【令和5年度の遺族厚生年金】

⒈ 年金額の考え方

 遺族厚生年金の受給金額は老齢厚生年金の報酬比例部分が基本の考え方です。

 ここからはまず先に老齢厚生年金のおさらいをします。

報酬比例部分は

 ①2003年3月以前の被保険者期間 と ②2003年4月以後の被保険者期間

   のそれぞれの算出式を合算した金額となります。この2つに分かれる理由は2003年3月以前は賞与支給の際には保険料を納付していませんでしたが、2003年4月以降は賞与支給の際にも保険料を納付することになった、という変更点があるためです。

  ① 平均標準報酬「月」額 × 7.125 / 1000 × 2003年3月以前の被保険者月数

  ② 平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以後の被保険者月数

 賞与を対象とするか、しないかの違いにより、①は平均標準報酬「月」額に対して②は平均標準報酬額なっております。この〈 平均標準報酬月額 〉と〈 平均標準報酬額 〉ですが、2003年3月以前は標準報酬月額の平均値、2003年4月以後は標準報酬月額と標準賞与額の合計を被保険者期間の月数で割った数値 にそれぞれ再評価率という数値を掛け算した値です。以前にもお伝えしましたが、この再評価率は支給された当時の金額を現在の時価に修正する意味があり、同じ「20万円」であっても1982年に支給された「20万円」と2023年に支給された「20万円」はインフレによって価値が違うことを意識して頂けるとわかりやすいかと思います。なお、「7.125 / 1000」と「5.481 / 1000」は給付乗率と呼ばれております。 

⒉「短期要件」と「長期要件」

 ⒈でおさらいした老齢年金の報酬比例部分を念頭にして、「短期要件」と「長期要件」の2つのパターンに分かれます。

 Ⓐ 「短期要件」に該当する場合

   ●「短期要件」とは次の場合を言います。

    Ⓐ 厚生年金保険の被保険者( 現に会社員や公務員である方)が亡くなったとき

    Ⓑ 厚生年金保険の被保険者であった者が、資格喪失後において被保険者期間中に初診日があ  

     る傷病が原因となってその初診日から起算して5年を経過する日前に亡くなったとき

      →こちらは過去に会社員や公務員であった方で現在会社員や公務員ではなく、会社員や公

       務員であった時に亡くなる原因となった傷病( 末期のガンや交通事故などの命に係わる

       ケガがイメージしやすいかと思います。)に関して初めて受診してから5年以内に亡く

       なってしまったときのことを指します。

    Ⓒ 現に1級または2級の障害厚生年金の受給権者である方が亡くなったとき    

● 支給金額は次のとおりです。

   ・原則 →( 上記①+上記② )× ¾

・例外( 被保険者期間が300月に満たない場合 )

     →( 上記①+上記② )× ¾ × ( 300月 ÷ 被保険者であった月数の合計 )

この例外規定が意味するところはあまりに年齢が若いうちに亡くなったときなど被保険者期間

    極端に短くなると遺族に対する保障が機能しないため、300月( 25年 )分が最低保障分とし

    て支給されることを意味します。

 Ⓑ 「長期要件」に該当する場合

   ●「長期要件」とは次の場合を言います。

   Ⓐ 保険料納付済期間と保険料免除期間と学生納付特例など各種納付特例の期間を合算して25年

     以上となる老齢厚生年金の受給権者が亡くなったとき

   Ⓑ 保険料納付済期間と保険料免除期間と学生納付特例など各種納付特例の期間を合算して25年

     以上となるが亡くなったとき

     この場合の「保険料納付済期間」とは、「国民年金の保険料」または厚生年金保険や共済年

     金( 公務員の場合)の保険料納付済期間のことを指します。「国民年金の保険料」も保険料

     納付要件の対象となります。

   ● 支給金額は次のとおりです。

   ・( 上記①+上記② )× ¾


  なお、両方に該当する場合、基本的に「短期要件」のいずれかのみとなります。ただし、遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をしたときには「長期要件」とすることも可能とされています。

 

 今回は令和5年度の遺族厚生年金の受給金額について触れました。遺族厚生年金の受給金額も老齢厚生年金の受給金額の考え方が基本になっており、障害厚生年金も同様です。

 次回は「令和5年度の障害基礎年金」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい

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