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今回は上肢の障害認定基準の中でも手指の機能障害について、国民年金と厚生年金保険が対象となる障害等級1級及び障害等級2級における障害の程度の具体的な認定方法と障害等級表をさらに掘り下げた障害の状態に関して書いていこうと思います。
【手指の機能障害による障害等級➀】
⒈ 国民年金及び厚生年金保険の両方が対象となる障害認定基準は次のとおりとなっております。
● 障害等級1級
❶ 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
( 以下「両上肢のすべての指の用を全く廃したもの」という。)
・ 指の著しい変形
・ 麻痺による高度の脱力
・ 関節の不良肢位強直
・ 瘢痕(※1)による指の埋没または不良肢位拘縮(※2)
等により指があったとしてもそれがない状態とほとんど同程度の機能障害があるもの。
(※1)瘢痕
→ 擦り傷や切り傷、火傷(やけど)、手術の傷跡など様々な原因で残った傷跡のこと。
(※2)拘縮
→ ケガや病気が原因となって関節を動かす機会が減少することで、関節が硬くなった結
果関節の動きが制限された状態のこと
● 障害等級2級
❶ 両上肢のおや指 及び ひとさし指 又は 中指 の機能に著しい障害を有するもの
( 以下「両上肢のおや指 及び ひとさし指 又は 中指 の用を全く廃したもの」という。)
・ 両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害
それに加えて、
・ 両上肢のひとさし指 または 中指の用を全く廃した程度の障害
があり、そのため両手とも指間にモノを挟むことができても、一指を他指に対立させて
モノをつまむことができない程度の障害
❷ 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
( 以下「一上肢のすべての指の用を全く廃したもの(※3)」という。)
(※3)指の用を廃したもの
→ 次のいずれかに該当する状態
ⅰ 指の末節骨の長さの2分の1以上を欠くもの
ⅱ ・中指節関節(MP)
または
・近位指節間関節(PIP)(おや指の場合は指節間関節(IP))
に著しい運動障害(他可動域が健側(※4)の他可動域の2分の1以下に制限されたも
の)を残すもの。
(※4)健側(けんそく)
→ 半身に麻痺や障害を負っている場合で障害がない側の身体のこと。反対に障害がある側は
患側(かんそく)と呼ばれる。
今回は上肢の障害認定基準のうち手指の機能障害で国民年金と厚生年金保険が対象となる障害等級1級及び2級の基準について触れました。次回は引き続き「障害認定基準-上肢⑧」として、厚生年金保険のみが対象となる障害等級3級と障害手当金の障害認定基準について見ていきます。
最後までお読み頂きありがとうございました!
【参考文献】
・医療・福祉・年金相談の現場で役立つ!障害年金実務必携 / (株)日本法令 /
令和2年4月1日初版2刷 / 加賀佳子 著
・知りたいことが全部わかる!障害年金の教科書 /
漆原香奈恵・山岸玲子・村山由希子 / (株)ソーテック社 / 2019年12月31日
・日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準「01.pdf (nenkin.go.jp)」
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