top of page

'24/04/12 障がいお役立ち情報№96(令和6年度の公的年金支給額⑤)


「自身も障がいを抱える社会保険労務士・行政書士が親身になってご対応します!」

     をコンセプトに掲げている障がいに関する行政手続支援を専門とした事務所です。

障がいに関する行政手続でお困りではありませんか?

視覚障害(右眼失明)について、 

「障害等級5級の身体障害者手帳」 を所持し、

「障害年金2級」      の受給権者である

   私自身がちょっとしたことでもご相談に乗りますので気軽にお声かけ下さい!

(初回相談について)

  ・原則1時間で3,000円(税込)です。

  ・上記の金額は資料の準備時間&資料の費用 等必要最低限の費用です。

  ・お客様の状態に合わせた申請に必要な資料をご用意・提供致します。

  ・資料の内容や申請のコツについて可能な限り親身にご説明します。

  ・その後はご自身で申請されても、私にご依頼頂いても、他の社労士の先生にご依頼頂いても、

   OKです!契約を強制することは決して致しません!

今回は令和6年度の遺族厚生年金について触れたいと思います。

(こちらの記事は「’23/06/09 障害お役立ち情報№53」を編集したものです。)

【令和6年度の遺族厚生年金】

⒈ 年金額の考え方

 遺族厚生年金の受給金額は老齢厚生年金の報酬比例部分が基本の考え方です。

 ここからはまず先に老齢厚生年金のおさらいをします。

報酬比例部分は

 ①2003年3月以前の被保険者期間 と ②2003年4月以後の被保険者期間

   のそれぞれの算出式を合算した金額となります。この2つに分かれる理由は2003年3月以前は賞与支給の際には保険料を納付していませんでしたが、2003年4月以降は賞与支給の際にも保険料を納付することになった、という変更点があるためです。

  ① 平均標準報酬「月」額 × 7.125 / 1000 × 2003年3月以前の被保険者月数

  ② 平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以後の被保険者月数

 賞与を対象とするか、しないかの違いにより、①は平均標準報酬「月」額に対して②は平均標準報酬額なっております。この〈 平均標準報酬月額 〉と〈 平均標準報酬額 〉ですが、2003年3月以前は標準報酬月額の平均値、2003年4月以後は標準報酬月額と標準賞与額の合計を被保険者期間の月数で割った数値 にそれぞれ再評価率という数値を掛け算した値です。以前にもお伝えしましたが、この再評価率は支給された当時の金額を現在の時価に修正する意味があり、同じ「20万円」であっても1984年に支給された「20万円」と2024年に支給された「20万円」はインフレによって価値が違うことを意識して頂けるとわかりやすいかと思います。なお、「7.125 / 1000」と「5.481 / 1000」は給付乗率と呼ばれております。 

⒉「短期要件」と「長期要件」

 ⒈でおさらいした老齢年金の報酬比例部分を念頭にして、「短期要件」と「長期要件」の2つのパターンに分かれます。

 Ⓐ 「短期要件」に該当する場合

   ●「短期要件」とは次の場合を言います。

    Ⓐ 厚生年金保険の被保険者( 現に会社員や公務員である方)が亡くなったとき

    Ⓑ 厚生年金保険の被保険者であった者が、資格喪失後において被保険者期間中に初診日が

ある傷病が原因となってその初診日から起算して5年を経過する日前に亡くなったとき

      →こちらは過去に会社員や公務員であった方で現在会社員や公務員ではなく、会社員や公

       務員であった時に亡くなる原因となった傷病( 末期のガン や 交通事故などの命に係わる

       ケガがイメージしやすいかと思います。)に関して初めて受診してから5年以内に亡く

       なってしまったときのことを指します。

    Ⓒ 現に1級または2級の障害厚生年金の受給権者である方が亡くなったとき    

           ● 支給金額は次のとおりです。

   ・原則 →( 上記①+上記② )× ¾

           ・例外( 被保険者期間が300月に満たない場合 )

     →( 上記①+上記② )× ¾ × ( 300月 ÷ 被保険者であった月数の合計 )

                この例外規定が意味するところはあまりに年齢が若いうちに亡くなったときなど被保険者期間

    極端に短くなると遺族に対する保障が機能しないため、300月( 25年 )分が最低保障分とし

    て支給されることを意味します。

 Ⓑ 「長期要件」に該当する場合

   ●「長期要件」とは次の場合を言います。

   Ⓐ 保険料納付済期間と保険料免除期間と学生納付特例など各種納付特例の期間を合算して25年

     以上となる老齢厚生年金の受給権者が亡くなったとき

   Ⓑ 保険料納付済期間と保険料免除期間と学生納付特例など各種納付特例の期間を合算して25年

     以上となるが亡くなったとき

     この場合の「保険料納付済期間」とは、「国民年金の保険料」または厚生年金保険や共済年

     金( 公務員の場合)の保険料納付済期間のことを指します。「国民年金の保険料」も保険料

     納付要件の対象となります。

   ● 支給金額は次のとおりです。

   ・( 上記①+上記② )× ¾


  なお、両方に該当する場合、基本的に「短期要件」のいずれかのみとなります。ただし、遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をしたときには「長期要件」とすることも可能とされています。

 

 今回は令和6年度の遺族厚生年金の受給金額について触れました。遺族厚生年金の受給金額も老齢厚生年金の受給金額の考え方が基本になっており、障害厚生年金も同様です。

 次回は「令和6年度の障害基礎年金」に関して書きたいと思います。

 


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・21訂版 年金相談 標準ハンドブック / (株)日本法令 / 令和3年6月20日 / 佐竹康男、井村丈夫 著

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい

・厚生労働省 令和6年1月19日プレスリリース「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」

bottom of page