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'23/03/31 障がいお役立ち情報№43(労災保険の障害年金と公的障害年金の関係)


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今回も複数の年金を受給できる場合についてです。

年金には「1人1年金の原則」と呼ばれるものがあります。

この原則により支給事由が異なる2つの年金を基本的に1人が同時に受給することができないという仕組みになっております。ただし、一定の条件の下においては支給事由が異なる2つの年金を同時に受給できることになっております。今回は労災保険の障害年金と公的障害年金の関係について考えます。

【国民年金・厚生年金の障害年金と労災保険の障害年金】

⒈ 障害基礎年金&障害厚生年金+障害補償年金

 同一の事由によって、障害基礎年金及び障害厚生年金 と 労災保険の障害補償年金 を受給できる場合には、

 ・障害基礎年金&障害厚生年金 = 全額支給

 ・障害補償年金 = 減額調整

            されることになっております。

減額の計算方法は次のとおりです。

 ① 障害基礎年金のみ → 障害補償年金 × 0.88

② 障害厚生年金のみ → 障害補償年金 × 0.83

③ 障害基礎年金+障害厚生年金 → 障害補償年金 × 0.73   


⒉障害基礎年金&障害厚生年金+傷病補償年金

 まず傷病補償年金についてご説明します。

 傷病補償年金は労災事故によって傷病が治ることなく就労できない期間が1年6ヶ月以上続いた場合に、その期間1日ごとに支給されていた休業補償給付に代わって、所轄労働基準監督署長が自身の職権で年金支給に切り替えた場合に支給される年金のことです。傷病が治った( これ以上回復の見込が望めない )と判断される場合は⒈でご説明した障害補償年金が支給されます。

 同一の事由によって、障害基礎年金及び障害厚生年金 と 労災保険の障害補償年金 を受給できる場合には、

 ・障害基礎年金&障害厚生年金 = 全額支給

 ・傷病補償年金 = 減額調整

            されることになっております。障害補償年金とほぼ同じ考え方です。

減額の計算方法は次のとおりです。  

① 障害基礎年金のみ → 傷病補償年金 × 0.88

② 障害厚生年金のみ → 傷病補償年金 × 0.86

③ 障害基礎年金+障害厚生年金 → 傷病補償年金 × 0.73

  

⒊ (20歳前傷病による障害基礎年金=0)+ 障害補償年金

 障害基礎年金には「20歳前傷病による障害基礎年金」という制度があります。基本的には20歳以上に被保険者となり、保険料を納付して保険事故が生じたときに年金を受け取る流れが国民年金制度の原則です。しかし、福祉恩恵的な制度として出生時や20歳前の傷病で障害等級2級以上に該当する障がいを抱えている場合でも障害基礎年金が受給できます。これが「20歳前傷病による障害基礎年金」です。

 この場合には「20歳前傷病による障害基礎年金」は全く支給されず同時に受給できないこととなっており、障害補償年金が全額支給されることになります。こちらは「20歳前傷病による障害基礎年金」は保険料を納付することなく受給できる制度の一方で、障害補償年金は労災保険料を事業主が負担しており、その財源から支給されることになるため、保険料負担がある方を優先する主旨であると考えております。


 今回は労災保険の障害年金と公的障害年金の関係について触れました。減額の計算方法は細かいですよね(´・ω・`)次回は「労災保険の遺族年金と公的遺族年金」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい

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