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2023年初めての投稿になります。

本年もどうかよろしくお願い致します(^^)/


今回は国民年金と厚生年金の保険料について触れたいと思います。

両者の保険料負担の違いについて考えたことはありますか?

今回の話は前回の両者の関係性とも繋がりが非常に深くて理解して頂ければ「厚生年金保険制度が国民年金制度に比べていかに優遇されているか」をお分かり頂けると思います。

【国民年金の保険料】

⒈ 保険料

 国民年金の保険料は令和4年度で月額16,590円( 定額 )です。

国民年金制度の被保険者はどなたでも全員この金額を全額自己負担します。

無職の方であれ、フリーターであれ、年商1億円以上の賃貸アパートのオーナーであれ、原則皆一律でこの金額です。ただし、

 ・生活保護の受給者や障害年金の受給者 → 法定免除

・収入が少なくて保険料を払うのが困難な方 → 申請免除( 全額~4分の1 )

 ・学生 → 学生納付特例

        など保険料を支払うことが困難な方を対象とした各種の免除制度があります。

⒉ 付加保険料

 上記の一般の保険料の他に任意の制度として付加保険料があります。

付加保険料は月額400円となります。この付加保険料を支払うことで将来の老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。増加額(付加年金)は

      200円×付加保険料の納付月数 となります。

ん!損してないか!?400円払って200円しかもらえないの?となるかもしれません。

そんなことはありません。そのカラクリは次のとおりです。

 1月400円払い込むことで、それ以降の年金が1月分200円増えることになります。すなわち、1年しか受給しない結果となった場合は損となることは事実ですが、2年以上受給することとなれば、元を取れることになります。

【厚生年金の保険料】

⒈ 月額の保険料

 厚生年金の月額保険料は、

  個々人の標準報酬月額×18.3%( 定率 )

                   です。

「標準報酬月額」とありますが、皆さんの月給とほぼ同じ金額となります。

こちらは国民年金保険料と異なって、皆さんの月給に応じた定率となっています。

この「月給に応じた定率」がキーで各種厚生年金の受給額における報酬比例部分とリンクします。

さて、月給30万円とした場合、300,000円×18.3%=54,900円となりますが、果たして皆さんはこの金額を全額自己負担していますか?答えはNO!です。皆さんの負担額はこの金額の2分の1である27,450円となります。残りの半額は会社若しくは公務員ならば各種都道府県&市町村や国の省庁が負担しております。保険料の半額は皆さんの勤務先が負担しているのです。 

⒉ 賞与の保険料

 賞与からも厚生年金の保険料を支払うことになります。考え方は基本的に月額の保険料と同じで、賞与支給額の18.3%( 標準賞与額×18.3% )を納付することになり、やはり半額を勤務先が負担します。

 ただし、厚生年金の賞与とされる「標準賞与額」には上限があり、いくら賞与が多く支給されても1回につき150万円が標準賞与額の上限となっております。


【国民年金より厚生年金の被保険者の方が恵まれている】

 まとめに入ります。

 国民年金 → 定額保険料&全額自己負担   / 受給額=定額部分のみ

 厚生年金 → 定率保険料&半額は勤務先負担 / 受給額=定額部分+報酬比例部分  

以上のとおりで、厚生年金の場合、保険料は半額勤務先が負担してくれたうえで、国民年金の定額部分と報酬比例部分の両方が受給できる仕組みとなっており、如何に厚生年金の被保険者が恵まれているかが理解できるかと思います。


 今回は国民年金と厚生年金の保険料について触れました。どちらの被保険者であれ何となく払っていた保険料の違いを理解して頂けたでしょうか。良いか悪いかは別として、年金制度において給与で収入を得ている人は制度上優遇されている結果となっております。次回は「老齢年金」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・知りたいことが全部わかる!障害年金の教科書 / 漆原香奈恵・山岸玲子・村山由希子 /

(株)ソーテック社 / 2019年12月31日 初版第1刷

・苫小牧市 福祉ガイドブック 2021年版


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今回は国民年金と厚生年金の関係について触れたいと思います。

よく使われる表現があります。

公的年金制度は2階建てであり、1階部分が国民年金制度で、会社員や公務員など給与収入を得ている方々は2階部分の厚生年金保険制度に加入することになる。

皆さんも一度は耳にしたことや文章として見かけたことがあるのではないでしょうか?

これはその通りであって、決して間違いではありません。

ただ、ここで終わるとあまり意味を為さないので、もう少し掘り下げていきたいと思います。

【国民年金制度】

⒈ 「基礎年金」

 国民年金法による給付は主に3種類です。

  ➀ 65歳になった → 老齢基礎年金

  ➁死亡した   → 遺族基礎年金

  ➂障害が残った → 障害基礎年金

いずれも「基礎」年金です。老齢「国民」年金 / 遺族「国民」年金 / 障害「国民」年金 などとは呼ばれません。実はこの「基礎」年金という表現にも意味があって、日本国内に居住する20歳以上60歳未満の国民は全員が加入することになるよ、というメッセージになっております。したがって、1階部分と呼ばれます。

⒉ 対象者

 上記のとおり、日本国内に居住する20歳以上60歳未満の国民全員です。

これは国民年金法第1条に根拠が示されております。

 国民年金法第1条

 「国民年金制度は、日本国憲法25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」


「え?」と思われた方もいるかもしれません。

何故なら冒頭に

 「会社員や公務員など給与収入を得ている方々は2階部分の厚生年金」

                              とあるじゃん!

その通りです。

会社員や公務員は厚生年金の対象者です。

一体どっちなのよ?となりますが、このカラクリは次のとおりです。

国民年金の「被保険者」(※)は、自営業者や学生、無職の方など会社員や公務員以外の方になります。

 (※)被保険者それぞれの保険をかけられている人

すなわち、

 国民年金制度に保険料を支払う対象者 = 自営業者や学生、無職の方

            となり、

 厚生年金保険制度に保険料を支払う対象者 = 会社員や公務員

                            となります。


【厚生年金保険制度】

⒈ 対象者と目的

 対象者( 被保険者 )は上記にある通りで、「会社員」や「公務員」となります。

 これは厚生年金保険法第1条に根拠が示されております。

 厚生年金保険法第1条

 「この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」


この条文で重要な語句は「労働者の」と「労働者及びその遺族の」の2つです。この2つの語句が示すものが「会社員」や「公務員」などの被用者(給与所得者)及びその遺族となるわけです。ちなみに健康保険制度や厚生年金保険制度は「被用者保険」と呼ばれております。

⒉ 「2階部分」の意味

 厚生年金保険制度に加入していれば、国民年金の基礎年金に加えて厚生年金も受給することができます。「会社員」や「公務員」等の被用者は、厚生年金保険制度に加入し、保険料も厚生年金保険制度に支払っている一方で、保険料を支払っていない国民年金制度の基礎年金給付も受けることができる、ということになります。

 さて、国民年金制度から厚生年金保険制度加入者に基礎年金を給付するための財源はどうなっているのでしょうか?

 その答えは厚生年金保険制度から拠出される「基礎年金拠出金」にあります。実は厚生年金保険制度から国民年金制度へ「基礎年金拠出金」として財源が移管されているのです。「基礎年金拠出金」は、全ての年金制度の被保険者数総数 に占める 厚生年金保険制度の被保険者の総数&その扶養者の総数 の割合に応じて算出されております。

 以上により、「会社員」や「公務員」は厚生年金保険制度に加入することで、国民年金の基礎年金も受給できることになり、自営業者や学生、無職の方にはない厚生年金保険制度の「2階部分」を受けることができる、となるわけです。


 今回は国民年金と厚生年金の関係について触れました。両制度のお金の流れからアプローチしてみました。ちょっと難しかったかもしれませんね(´・ω・`)次回は「国民年金と厚生年金の保険料」に関して書きたいと思います。


今年は最後の投稿となります。

お付き合い頂いた皆様、大変ありがとうございました!

厚くお礼を申し上げます。また、来年もどうかよろしくお願い致します<(_ _)>


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・知りたいことが全部わかる!障害年金の教科書 / 漆原香奈恵・山岸玲子・村山由希子 /

(株)ソーテック社 / 2019年12月31日 初版第1刷

・精神疾患にかかる障害年金請求手続 完全実務マニュアル【3訂版】 / 塚越良也 /

         (株)日本法令 / 2016年12月1日 3訂初版

・苫小牧市 福祉ガイドブック 2021年版


「自身も障がいを抱える社会保険労務士・行政書士が親身になってご対応します!」

     をコンセプトに掲げている障がいに関する行政手続支援を専門とした事務所です。

障がいに関する行政手続でお困りではありませんか?

視覚障害(右眼失明)について、 

「障害等級5級の身体障害者手帳」 を所持し、

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今回は公的年金の存在意義について触れたいと思います。

【憲法第25条ー生存権ー】

⒈ 条文

 公的年金制度の存在意義を語るにあたって憲法第25条に触れない訳にはいきません。憲法第25条の条文は次のとおりです。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 こちらは「生存権」に関する表明で、国民年金法や厚生年金保険法において「社会保障」の部分が根拠となる条文となっております。

⒉ 国民皆年金

 国内居住の日本国民は20歳になると公的年金制度の国民年金に原則として強制加入することになります。( 高校を卒業して会社勤めや公務員として仕事を始めた場合には20歳未満であっても、俗に言われる2階部分の厚生年金に加入する場合もあります。)強制加入とすることで国民は政府より保険料を徴収されることにはなりますが、政府はその保険料に税を加えたものを財源として国民の老齢・死亡・障害を原因とする所得喪失時( 死亡の場合は遺族が対象 )における最低限の保障をするという考え方になっております。

【公的「年金」=社会「保険」】

⒈ 「保険」

 「保険」とは何ですか?

 完全に正確とは行かないまでも、皆様はこの質問の正解を答えることができるでしょうか?

 まずは「保険」について考えてみます。ズバリ「保険」とは➀「保険者」に➁「保険料」を支払うことで、➂「保険事故」が生じた場合に④「保険金」を請求することができる制度のことを言います。

専門用語だらけで意味不明なので➀~④の解説を以下に記載します。

 ➀保険者  → 保険制度を運営する母体や組織のこと。

         例)健康保険ー全国健康保険協会 / 生命保険―民間の生命保険会社

 ②保険料  → 「保険事故」が生じたときに「保険金」を請求するために払い込むお金

 ➂保険事故 → 「保険金」を請求する原因となった事象

         例)健康保険—風邪をひいて病院を受診した / 地震保険—大地震で家屋が倒壊した

 ④保険金  → 「保険事故」が生じた時に受け取るお金 

⒉ 社会「保険」

 さて、「保険」について確認したところで、次は社会「保険」とは何か?です。

 皆様は死亡保障 / 医療保障がある生命保険や自動車事故に備える自動車保険(少なくとも自動車賠償責任保険は義務ですよね!)/ 火災に備える火災保険 / 地震や台風をはじめとする天災に備える地震保険 他何らかの保険に加入し、保険料を払っているでしょうか?イメージできると思いますが、これらは民間の会社が契約によって運営する「保険」制度です。

 一方で、健康保険制度や公的年金制度は法律で定められた社会「保険」です。

 健康保険の場合で言えば、医療サービスを現物給付で受けているので実際に保険金として受け取るわけではないし、「保険事故」や「保険金」のイメージをしにくいと思いますが、本質は民間の保険制度となんら違いはありません。具体的には一般の皆様が「風邪をひいて病院で受診した」場合、窓口で30%負担していることかと思います。それは「風邪をひいて病院で受診した」という「保険事故」に対して残りの70%は実は「保険金」として給付されているということを意味します。

 公的年金も同じです。老齢・死亡・障害という保険事故に対して、「年金」という形で「保険金」が給付される仕組みとなっております。「65歳になった」という保険事故に対して支給される老齢年金・「死亡した」という保険事故に対して支給される遺族年金・「障害が残った」という保険事故に対して支給される障害年金 といった感じです。

 公的年金制度は社会「保険」の一種で、法律により政府が運営する「保険」制度となります。なお、社会保険の場合は現物支給の形態もあるため「保険金」とは言わずに「保険給付」という言葉を用いております。

【公的年金の存在意義】

 公的年金の存在意義についてまとめると、

  ➀ 政府が運営する社会保険の一種である。

  ② 強制加入である。

  ➂ 国民の万が一の備えである。

  ④ 強制徴収される保険料も国民の生存権を保障するためのものである。 

                              となります。

 

今回は公的年金の存在意義について触れました。嫌々ながら払わされている社会保険料にもきちんと意味があるんだよ、ということを理解して頂ければ幸いです。次回は「国民年金と厚生年金の関係」に関して書きたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・知りたいことが全部わかる!障害年金の教科書 / 漆原香奈恵・山岸玲子・村山由希子 /

(株)ソーテック社 / 2019年12月31日 初版第1刷

・精神疾患にかかる障害年金請求手続 完全実務マニュアル【3訂版】 / 塚越良也 /

         (株)日本法令 / 2016年12月1日 3訂初版

・苫小牧市 福祉ガイドブック 2021年版

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