top of page

「自身も障がいを抱える社会保険労務士・行政書士が親身になってご対応します!」

     をコンセプトに掲げている障がいに関する行政手続支援を専門とした事務所です。

障がいに関する行政手続でお困りではありませんか?

視覚障害(右眼失明)について、 

「障害等級5級の身体障害者手帳」 を所持し、

「障害年金2級」      の受給権者である

   私自身がちょっとしたことでもご相談に乗りますので気軽にお声かけ下さい!

(初回相談料は無料です!)


今回は遺族基礎年金について触れたいと思います。

国民年金における遺族年金を受給する要件を理解して頂ければ幸いです。

【 遺族基礎年金 ①】

⒈ 支給事由( 保険事故 )と支給対象者

 国民年金の遺族基礎年金は、被保険者が亡くなったときに支給されます。

支給対象者は

 「被保険者によって生計を維持されていた Ⓐ配偶者またはⒷ18歳になった後の最初の3/31までの子 (一般的には高校卒業までの子。以下「高校卒業までの子」と書きます。)がいる場合に、Ⓒその子がいる配偶者 または Ⓓその子 」 となります。

 少々まどろっこしい表現なので1つ1つみていきます。

 ➀ Ⓐ~Ⓓに関して、年金を受給できる方は遺族になります。

   当たり前だろ!ってなるかもしれません。

   ただし、ここは老齢基礎年金や障害基礎年金と違って、年金を受給できる人が「本人ではない」

   ところに大きな違いがあります。

 ➁ Ⓑ~Ⓒの「高校卒業までの子」に関して、その子が障害基礎年金の1級または2級に該当する場合

   は、その子が20歳になるまで支給対象となります。

 ➂ ⒶとⒷに関して、生計を維持されていた「配偶者又は高校卒業までの子」がいない場合には、

   も受給できません。民法の法定相続人とは扱いが異なります。

 ④ Ⓒに関して、高校卒業までの子が「いない」配偶者には支給されません。配偶者に支給される条

   件として、高校卒業までの子がいることが必要であり、子供がいない夫婦や子がいる夫婦でも子

   供が高校を卒業している場合は支給されないこととなります。 


2. 保険料納付要件

 遺族の方が遺族基礎年金を受給するためには亡くなった方が次にある保険料納付要件を満たす必要があります。

 原則:Ⓐ死亡日の前日において、Ⓑ死亡月の前々月までに国民年金の被保険者期間があるときは、原

    則としてⒸ保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間がそのⒹ被保険者期間の⅔以上

    あること。

 特例:Ⓔ2026年(令和8年)4月1日前に死亡した場合、Ⓕ死亡日の前日において、Ⓖ死亡月の前々月

    までのⒽ1年間に未納期間がないこと。ただし、死亡日において65歳以上である者は除かれま

    す。

 こちらもまどろっこしい表現なので1つ1つみていきます。

 ➀ Ⓐ&Ⓕに関して、死亡日の「前日」です。

   死亡日当日ではありません。これには亡くなった方が保険料納付要件を満たしていないとき、そ

   の亡くなった当日に遺族が保険料を納付して保険料要件を満たすことになる、という事態を防ぐ

   主旨があります。

 ➁ Ⓑ&Ⓖに関して、死亡月の「前々月まで」です。

   死亡月の前月ではありません。これには保険料の納付期限が関係しています。

   保険料はその月の分を翌月末までに納付することになっています。順に考えていきます。

   死亡日の前日の時点で保険料納付が完了しているかどうかは、前月末時点で納付されているかど

   うかで基本的に判断できます。前月末までに納付が終わっているはずの保険料は保険料を納付す

   る月の前月分となります。したがって死亡月の「前々月」までとなるわけです。

 ➂ Ⓒに関して、保険料納付済期間のみではなく、保険料「免除期間」もカウントされます。

   保険料が払えないなら免除手続をして!という理由はここにあります。免除期間があると、老齢

   基礎年金は減額措置がありますが、遺族基礎年金の場合は関係ありません。この点は障害基礎年

   金も同様です。万が一の備えとして、政府や我々社労士は保険料を払えない方には免除手続きを

   促しているのです。

 ④ Ⓓに関して、被保険者期間の⅔以上とありますが、基本的には死亡日における20歳以降の月数の

   うち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した月数が⅔以上あればOK!と考えて頂けれ

   ば良いと思います。

 ⑤ Ⓔに関して、特例は現時点で期間限定です。この後どうなるのか?はまだ不明です。余談です

   が、実務上はまず先にこの特例で保険料納付要件を判断し、特例の保険料納付要件を満たしてい

   ない場合に原則要件で判断することが多いようです。ホントは逆のような気がしますが"(-""-)"

 ⑥ Ⓗに関して、特例は直近の1年間に未納が無ければOK!となります。原則よりかなり緩くなって

   おります。この特例を適用させやすくするためにも保険料を払えない場合は免除手続をしてね!

   となるわけです。


 今回は遺族基礎年金を受給するための要件について触れました。御覧になって頂いたとおり、表現がまどろっこしくて読むのが嫌になってしまいます(´・ω・`)皆さんには結論のみを理解してもらえればそれだけで私は満足です(笑)次回は「遺族基礎年金の受給金額」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい


「自身も障がいを抱える社会保険労務士・行政書士が親身になってご対応します!」

     をコンセプトに掲げている障がいに関する行政手続支援を専門とした事務所です。

障がいに関する行政手続でお困りではありませんか?

視覚障害(右眼失明)について、 

「障害等級5級の身体障害者手帳」 を所持し、

「障害年金2級」      の受給権者である

   私自身がちょっとしたことでもご相談に乗りますので気軽にお声かけ下さい!

(初回相談料は無料です!)


今回は老齢年金について触れたいと思います。

老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給金額決定の仕組みを理解して頂けたら幸いです。

【国民年金( 老齢基礎年金 )の受給金額】

⒈ 支給事由( 保険事故 )

 国民年金の老齢基礎年金は原則として65歳になった日の月の翌月から支給されます。

ただし、60歳以降65歳になるまでの間に繰り上げの請求をすることで、65歳になる前であっても老齢基礎年金を受給することができます。しかしながら、その場合はデメリットもあって、

  65歳になる月までの月数 ×

 0.5%(1962年4月1日以前生まれの方)or  0.4%(1962年4月2日以後生まれの方)

の分だけ減額されてしまいご自身が亡くなるまで変更されることはありません。さらに同時に老齢厚生年金も受給できる方は同時に繰り上げ請求する必要があり、いずれか一方のみの繰り上げはできません

⒉ 年金額

 令和4年度の老齢基礎年金の年金額は次の算式で算出されます。

  777,800円(①) × 保険料納付済月数(②) ÷ 480月(20年間)

この程度の内容ならどこでも書いてあるので、もうちょっと詳しく見てみます。

①の777,800円は780,900×「0.996」の算式で導かれた数値です。

「0.996」は何なのか?という話になりますが、これは改定率と呼ばれております。

この改定率は物価変動、賃金変動、マクロ経済スライドにより毎年変動しますが、これ以上は複雑すぎるのでここでは割愛致します。

②の保険料納付月数は対象者の保険料納付実績によって変わってきます。各種保険料免除の有無によっても変わってきますので千差万別の結果になってきます。したがって、「780,900×改定率」の満額を受給するためには480月(20年間分)すべてを納付しなくてはなりません。このような算出方法をフルペンション減額方式と呼んでおります。

【厚生年金(老齢厚生年金)の受給金額】

⒈ 支給事由( 保険事故 )

 厚生年金の老齢厚生年金は原則として65歳になった日の月の翌月から支給され、老齢基礎年金と同じです。ただし、65歳になる前であっても特別支給の老齢厚生年金の制度があり、生年月日に応じて報酬比例部分のみ支給される方もおります。老齢厚生年金も繰り上げ請求ができますが、前述したとおりで繰り上げ請求する場合は老齢基礎年金も同時に請求する必要があります。減額適用があり、老齢基礎年金と同様の計算式になります。

⒉ 年金額

 老齢厚生年金の受給金額は、

  定額部分( 老齢基礎年金分 )+ 報酬比例部分

                     となります。

定額部分は老齢基礎年金と同様に求められますので、報酬比例部分に注目します。

報酬比例部分は

 ①2003年3月以前の被保険者期間 と ②2003年4月以後の被保険者期間

   のそれぞれの算出式を合算した金額となります。この2つに分かれる理由は2003年3月以前は賞与支給の際には保険料を納付していませんでしたが、2003年4月以降は賞与支給の際にも保険料を納付することになった、という変更点があるためです。

  ① 平均標準報酬「月」額 × 7.125 / 1000 × 2003年3月以前の被保険者月数

  ② 平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以後の被保険者月数

 賞与を対象とするか、しないかの違いにより、①は平均標準報酬「月」額に対して②は平均標準報酬額なっております。この〈 平均標準報酬月額 〉と〈 平均標準報酬額 〉ですが、2003年3月以前は標準報酬月額の平均値、2003年4月以後は標準報酬月額と標準賞与額の合計を被保険者期間の月数で割った数値 にそれぞれ再評価率という数値を掛け算した値です。この再評価率は、支給された当時の金額を現在の時価に修正する意味があります。1982年に支給された20万円と2022年に支給された20万円の価値の違いを意識して頂けるとわかりやすいかと思います。なお、「7.125 / 1000」と「5.481 / 1000」は給付乗率と呼ばれております。



 今回は老齢年金の受給金額の決定方法について触れました。フタを開けてみると結構フクザツ怪奇でのめりこむと危険なパンドラボックスなんですよね。。。何だか難しい計算をして算出していることだけでも理解して頂けたらうれしいです。次回からは「遺族基礎年金」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・理解しやすい年金講座 公的年金のしくみ / (株)服部年金企画 / 2021年4月1日

・’20~’21年度合格ターゲット1級FP技能士 特訓テキスト 学科 /

きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センター / (株)きんざい


「自身も障がいを抱える社会保険労務士・行政書士が親身になってご対応します!」

     をコンセプトに掲げている障がいに関する行政手続支援を専門とした事務所です。

障がいに関する行政手続でお困りではありませんか?

視覚障害(右眼失明)について、 

「障害等級5級の身体障害者手帳」 を所持し、

「障害年金2級」      の受給権者である

   私自身がちょっとしたことでもご相談に乗りますので気軽にお声かけ下さい!

(初回相談料は無料です!)


2023年初めての投稿になります。

本年もどうかよろしくお願い致します(^^)/


今回は国民年金と厚生年金の保険料について触れたいと思います。

両者の保険料負担の違いについて考えたことはありますか?

今回の話は前回の両者の関係性とも繋がりが非常に深くて理解して頂ければ「厚生年金保険制度が国民年金制度に比べていかに優遇されているか」をお分かり頂けると思います。

【国民年金の保険料】

⒈ 保険料

 国民年金の保険料は令和4年度で月額16,590円( 定額 )です。

国民年金制度の被保険者はどなたでも全員この金額を全額自己負担します。

無職の方であれ、フリーターであれ、年商1億円以上の賃貸アパートのオーナーであれ、原則皆一律でこの金額です。ただし、

 ・生活保護の受給者や障害年金の受給者 → 法定免除

・収入が少なくて保険料を払うのが困難な方 → 申請免除( 全額~4分の1 )

 ・学生 → 学生納付特例

        など保険料を支払うことが困難な方を対象とした各種の免除制度があります。

⒉ 付加保険料

 上記の一般の保険料の他に任意の制度として付加保険料があります。

付加保険料は月額400円となります。この付加保険料を支払うことで将来の老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。増加額(付加年金)は

      200円×付加保険料の納付月数 となります。

ん!損してないか!?400円払って200円しかもらえないの?となるかもしれません。

そんなことはありません。そのカラクリは次のとおりです。

 1月400円払い込むことで、それ以降の年金が1月分200円増えることになります。すなわち、1年しか受給しない結果となった場合は損となることは事実ですが、2年以上受給することとなれば、元を取れることになります。

【厚生年金の保険料】

⒈ 月額の保険料

 厚生年金の月額保険料は、

  個々人の標準報酬月額×18.3%( 定率 )

                   です。

「標準報酬月額」とありますが、皆さんの月給とほぼ同じ金額となります。

こちらは国民年金保険料と異なって、皆さんの月給に応じた定率となっています。

この「月給に応じた定率」がキーで各種厚生年金の受給額における報酬比例部分とリンクします。

さて、月給30万円とした場合、300,000円×18.3%=54,900円となりますが、果たして皆さんはこの金額を全額自己負担していますか?答えはNO!です。皆さんの負担額はこの金額の2分の1である27,450円となります。残りの半額は会社若しくは公務員ならば各種都道府県&市町村や国の省庁が負担しております。保険料の半額は皆さんの勤務先が負担しているのです。 

⒉ 賞与の保険料

 賞与からも厚生年金の保険料を支払うことになります。考え方は基本的に月額の保険料と同じで、賞与支給額の18.3%( 標準賞与額×18.3% )を納付することになり、やはり半額を勤務先が負担します。

 ただし、厚生年金の賞与とされる「標準賞与額」には上限があり、いくら賞与が多く支給されても1回につき150万円が標準賞与額の上限となっております。


【国民年金より厚生年金の被保険者の方が恵まれている】

 まとめに入ります。

 国民年金 → 定額保険料&全額自己負担   / 受給額=定額部分のみ

 厚生年金 → 定率保険料&半額は勤務先負担 / 受給額=定額部分+報酬比例部分  

以上のとおりで、厚生年金の場合、保険料は半額勤務先が負担してくれたうえで、国民年金の定額部分と報酬比例部分の両方が受給できる仕組みとなっており、如何に厚生年金の被保険者が恵まれているかが理解できるかと思います。


 今回は国民年金と厚生年金の保険料について触れました。どちらの被保険者であれ何となく払っていた保険料の違いを理解して頂けたでしょうか。良いか悪いかは別として、年金制度において給与で収入を得ている人は制度上優遇されている結果となっております。次回は「老齢年金」に関して書きたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!


【参考文献】

・知りたいことが全部わかる!障害年金の教科書 / 漆原香奈恵・山岸玲子・村山由希子 /

(株)ソーテック社 / 2019年12月31日 初版第1刷

・苫小牧市 福祉ガイドブック 2021年版

bottom of page